夢は逃げない ある男の話

先日、突然知り合いのSさんが訪ねてきた。
人生の師と仰いでいる方である。

出会いは8年前。
イタリアンレストラン&バー。

俺が客で彼は店員。

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「DD4D君、食事にでも行こうか」
その日、俺の尊敬するTさんからお食事のお誘いがあった。

向かった先は繁華街にあるレストランバー。
席に着くなりTさんのもとへ男がやってきた。
「Tさん、こんばんは。ご無沙汰しております。」
「こんばんはS君、こちらDD4D君だ。彼は・・・・・・・・・」
俺の紹介を始めるTさん。
そしてSさんの紹介
「こちらS君。彼はヨーロッパ13カ国のバーを90日かけて廻ってきたのだよ。本職はバーテンダーだ。」
・・・一期一会

その夜の出来事は忘れない。
Sさんのもてなしは、我々を異空間に連れ込み、時はまるで魔法をかけたかのようであった。
まさに至福の時。

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当時の俺は、いまよりもどうしようもない男だった。
やりたいことをやり、やりたくないことはやらない。
適当
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そんなある日、ふと思い付いたことがあった。
「やりたくないことが、やりたい」

すぐさま、考えてみた。
いくつかあった中でもピンときたのが、サービス業。
ウェイターだけはやりたくなかった。

そうか
それならばやってみよう。

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ウェイターといえば、真っ先に思い出したのがSさんだった。
あの人のもとでならきっと何かが得られるはずだ。

Sさんの店に電話を入れた。

当時の俺は、髪は肩まであり、ドレッド。
両耳と舌にピアス。

Sさんは、そんな俺でも雇ってくれた。
そんなこと、8年前では珍しかった。

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共に働いた1年間。
当然色々あったが、そんなことはすべてとばす。
ただ言えることは
とてつもなく濃い1年だった、ということだ。

潰れかけていたレストランバーに店長としてヘッドハンティングされたSさん。
そこへ飛び込んだ俺。

自由な男達が、自由に切り盛りし、1年後には、店はその街から姿を消していた。

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彼はその後も、ヨーロッパだけでなくアメリカ、メキシコ、オーストラリアなど世界のバーや醸造所を回り続けた。
そして現在は6年ほどかけて日本中のバーを隅々まで回っている。
この旅が終われば自分の店を持つ準備にかかるらしい。

彼ほどバイタリティがあり、引出しの多い男はいまだに見たことがない。
おもしろい。
彼の過去も現在も未来もおもしろい。
彼の人生がおもしろい。

バーテンダーは生き様か。
グラスの中の人生劇場。

さまざまな経験が人を大きくするのであれば、彼こそ大人だ。
大きな人・・・大人か・・・

夢は逃げない。
旅は終わらない。

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