セントバーナードの保護

※先日facebookにアップした記事の転載になります

今日セントバーナードのセント君が新しい飼い主さん候補のお宅へ旅立って行きました。
1ヶ月間のトライアル(お試し期間)です。


この子は飼い主さんの事情により保健所に持ち込まれた子。
超大型犬は保健所でも譲渡の前例がなく、扱いが難しいことから、県内の訓練士をはじめ、知識や技術のある方全員に当たられたそうです。

しかし、誰一人として手を挙げる方はいらっしゃいませんでした。
勿論僕の答えも「No」。
実際に見に行った時に、あまりにも警戒心が強く、とてもじゃないが扱えないと思ったからです。
その数日後には「今週殺処分になります」とご連絡がありました。
あまりに可哀想なのと、いままで学んだことを発揮すれば、なんとかできるのではないかと思い、「もしも可能なら、あと1週間だけ僕に時間をください」と頼んでみました。

でも、正直悩みました。

もしも、うまくいかなかった場合…

どうにもならなかった場合は、保健所に自ら「ダメでした。殺してください」と言わないといけないわけですから。(勿論違う言葉を使いますが、今回はダイレクトに書かせていただきました)


自分の持っている引き出し全てをひっくり返して、毎日5分でも行ける限りセント君と向き合い、絆を作る時間を重ねて行きました。
いけない時はスタッフにも協力してもらい、セント君とのコミュニケーションを取ってもらいました。

そして、二週間後。


一切触らせてくれなかったセント君が、リードをつけさせてくれたのです。

1ヶ月半ぶりに外に出たセント君は、保健所にいるときと全く別犬のようでした。
あれだけ警戒していたのが嘘のように、保健所の職員さんにもお腹を見せて甘えていました。
職員さんも皆さん喜ばれていました。
皆さん優しい方ばかりなわけですから。


そして、ついに里親希望者さんも見つかり、今日という日を迎えることができました。


セント君が旅立つ顔を見ていると、色々な思いがこみ上げてきました。


セント君との期間は短かったけど、ここに来るまでに長きにわたる年月があったのだということを。




保護活動を開始してから九年。

保護犬独特の行動を見ることで、犬という生き物の深さを知ることができました。
もう亡くなった子たちもたくさんいるけれど、彼らの瞳の奥にどういった心があり、それと向き合う術がどうであるか、彼ら全員が教えてくれました。


それから、セミナーや研修でお世話になった方々。
各地で出会う先生方には、多くの知らない知識を教えていただきました。



そして、海外視察。

イギリスの王立保護施設「RSPCA」、ドイツの民間保護施設「ティアハイム」、ベルリンの動物園、パリの精神科病棟のドッグセラピー、イギリスのホースセラピー、それから大きかったのがパリの人と動物の関係に関する学会の世界大会。


そこで、保護の精神や哲学、科学的見地における動物と人との関係を学ばせていただきました。


きっと5年前の僕では救えなかったセント君。

亡くなった犬たちも含め、みんなから教わった知識がここで形になりました。
それから、今年は保護に携わる機会が多いのですが、最も感謝すべきは、友。


今回セント君の里親候補として名乗りを上げてくれたのが、あることがきっかけで数年前に知り合った方でした。


セント君の里親になるためにいるような方だと感じます。
というのも、体格もあり、土地もサッカー場何面分かあり、トラックや軽トラも持っていて、ミニバンも持っていて、理解ある家族やスタッフに恵まれていて、何より心がある。

こんな方はいません。


数年前に出会ったっきり、特に交流はありませんでしたが、ついに再びここで接点ができました。

それからいま取り組んでいるヨークシャーテリアの保護にしてもそうです。(詳しくは以前の記事をご覧ください)


一番最初に一時預かりさんになっていただいた方は知り合いのトリマーさん。
ありがとう!

(共同でプロジェクトを立ち上げ、一緒に頑張っている皆さんも、今では新たな友達です!!)



その後、知り合いが里親になってくれたり、知り合いが里親希望者さんを紹介してくれたりして、無事最初の3頭はすぐに貰われて行きました。

その後、現在までに8人の一時預かりさんにご協力いただいていますが、全員元々お知り合いの方。

「私でよければ」「困ったら言ってね」「無理しないでね」と皆さん連絡してきてくれます。

僕は人付き合いが苦手で、面白いことも言えないし、無口でクソつまらない、本当に友達が少ない男ですが、本当に友に助けられている。


保健所の職員さん、ボランティアの方々、友達、ネットを見て連絡をしてきてくれる皆さん。
一人欠けてもできない保護活動。

ここ数日夜中までヨーキーのために走り回り、精神的には楽じゃないけど、今日セント君を見ていると、色々なことを回想しました。

僕が感謝するのはおかしいけれど、1ヶ月後、セント君が正式譲渡になり、ヨーキーがみんな幸せになったら、みんなと一緒に、感謝の気持ち込めてバーベキューでもしたい。
長すぎるし、自分に酔ったような、中身のない文だから、ここまで読んでくれた人なんてほぼいないだろうけど、ありがとうございますm(_ _)m
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